【活動報告】「蛍光増白剤のブラックライト実験」 ~あいコープみやぎ~
7月のシャボン玉月間に合わせて、石けん環境委員会では実験を行いました。
【実験】蛍光増白剤がどれだけ衣類や食品に移行するか?
ブラックライトが蛍光体だけを青く光らせる性質を利用して、洗剤に含まれる蛍光増白剤がどれだけ衣類や食品に移行するかを実験してみました。
まずは、蛍光増白剤について知りましょう。
【蛍光増白剤】
衣類を白くするには、「漂白」によるものと、「蛍光増白」による方法がある。
漂白は、色素を破壊して白くする。(黄ばみやシミを取り除く)
蛍光増白剤は、目をごまかして「白く見える」ようにする。(「汚れを落とす」のではない!)
蛍光増白剤は発がん性が問題視されていて、世界基準で食品・食品包装資材、紙コップ、紙皿、ナプキンや布巾にも使用が禁止されている。日本でも薬事法でティッシュペーパーやトイレットペーパー、紙おむつや生理用品、医療用のガーゼや脱脂綿、赤ちゃんの肌着などにも使用が禁止されている。
しかし、直接肌につけるものではないという理由で、洗濯用洗剤には蛍光増白剤を入れても良く、「輝く白さ」などの売り文句で販売されている。また衣類にはすでに蛍光増白剤が使用されている場合もある。
つぎに、実験です!
【実験1】衣類への移行
■実験内容
1.ブラックライトを当てても光らない布を2枚用意。
2.片方を石けんで、片方を蛍光増白剤の入った市販されている洗濯用洗剤で洗濯する。
3.洗いあがった布にライトを当て、どちらがどのように光るか?
■実験の様子
①実験前の布巾の様子。ブラックライトを当てても青光りしない
②使用した洗剤と布巾
③洗濯後。合成洗剤で洗った右側の布巾だけ青光りする
【実験2】食品への移行
■実験内容
1.実験1の布を使って、あんまんを包んで蒸す。
2.蒸しあがったあんまんにライトを当て、どちらがどのように光るか?
■実験の様子
(1)あんまんを実験1の布巾で包んで蒸す。
(2)蒸しあがり
(3)蒸しあがったあんまん。合成洗剤を使った右側だけが光る。
■実験結果
蛍光増白剤入の洗剤で洗った布で蒸したあんまんが光りました。
布ほどではありませんが、食品にも蛍光増白剤が移行することが分かりました。
肌に直接触れるものには禁止されている蛍光増白剤。
それなのに、洗濯によって結局は食べ物に移行してしまう可能性があることが分かりました。
蛍光増白剤がどれだけ残留されているかの水質調査も行われていないのが現状です。
めぐりめぐって水道水として戻ってくる大事な水。
見た目の白さよりも、石けんで汚れをしっかり落とすことで、余計なものは使わずにいたいと、改めて思いました。