石けんの優位性を伝え、石けん生活を広げよう!~生活クラブ東京~
フォーラム「はじめよう!せっけん生活~プロに学ぶせっけんクリーニング~」を開催
生活クラブ生協・東京では、せっけんの優位性や使い方を学ぶフォーラムを開催しました。講師は、多摩きた生活クラブ生協 まち・立川環境チームの富永文子さんと石けんクリーニングで有名な白栄舎クリーニングの茂木孝夫さんのお二人。
富永さんには「石けんと合成洗剤との違い 始めよう石けん生活」、茂木さんには「実践を交えてせっけんのコツを聞く」と題してお話いただきました。コロナ禍によりハイブリット形式の企画でしたが実際に会場に講師を招くのは久しぶりで、直接お話を聞きたいという参加者も含めて102人の参加でした。
被害者にも加害者にもならない暮らし方ができたらいいな
富永さんは「『私の選ぶ生活が誰かを苦しめ傷つけたくない。被害者にも加害者にもならない暮らし方ができたらいいな』という思いで石けんを使い始めて30年。そして環境チームで活動を続けています」とお話されました。
講義では合成洗剤と石けんを使ったイトミミズやカイワレ大根の実験の様子が写真で紹介され、石けんとの違いがよくわかるとともに合成界面活性剤の怖さや危険性を見せられ衝撃的でした。また、身体の部位によって経皮吸収率が違い、口の中やデリケートな部位は角層がなく直に吸収してしまうことから人体への影響も大きいことが分かり、ますます石けんの安全性を知ることができました。
「ほとんどの品物は家庭で石けんを使って洗濯できます。洗濯表示の内容を確認して家庭で洗濯を!」
茂木さんは、約28年前に生協主催の合成洗剤と石けんの違い学習会に参加して、「地球を汚したくない」と思い、環境に悪い合成洗剤の使用を止めて全て石けんに切り換え、ほとんどの品物を石けん水洗い、ドライクリーニングも最小限で行っています。
茂木さんからはクリーニング店の経営者でありながら、「ほとんどの品物は家庭で石けんを使って洗濯できるので、洗濯の道標である洗濯表示の内容を確認して家庭で洗濯をしてほしい」と伝えられました。
衝撃的だったのはドライクリーニングのドライ溶剤がPRTR法指定第一種化学物質で地下水汚染や大気汚染などの環境汚染を起こすことです。有害物質のため排水・廃棄ができず気化した量を継ぎ足しながら使用しています。油性汚れはドライクリーニングで落ちますが、水性汚れは全く落ちないというお話でした。日頃実践されている洗濯方法を映像でわかりやすく解説されているので、すぐに挑戦してみようと思いました。
具体的には「皮脂汚れ=温水(40℃以上)と石けんで衣類を10分間漬込みそのまま洗濯機で洗う」「襟汚れ=襟を広げて熱湯をかけて石けんと酸素系漂白剤を付けてブラシで擦り5分後に洗濯」「泥汚れ=泥が乾いた状態をブラシなどで取り払い、お湯と石けんを付けブラシで擦る。水で流し洗濯する」などです。
参加者からは、「お湯がポイント。あらためて洗濯の仕方が勉強になった」「石けんクリーニングのプロから学ぶ洗濯のコツや実践を交えたお話は目からウロコ。諦めてしまっていた石けん洗濯をもう一度挑戦してみよう」「知りたかった内容が盛り沢山でためになった。参加できなかった友人に伝えたい」などの多くの声をいただきました。
茂木さんのまとめ
・石けんにチャレンジ!健康・安心・安全のために!
・身体にいい洗濯術
・お洗濯を楽に、楽しく、気持ちよく
・できるだけ家庭で洗う、家庭で洗えるものを買う
・化学物質が少ない家庭・社会へ
・石けんから安全と危険を知る、地球環境問題へ、SDGsへ
改めて今回学んだことをおおぜいの人に伝え、石けんを使いこなす組合員を増やし、そして石けんの輪を広げて環境を守ることをすすめていきたいと思いました。